2020年05月15日

~読書のすゝめ ~プリンセス・トヨトミ~ ~ (2020/5/15号)

.
hare03 今年のゴールデンウイークは、外出を自粛して自宅で過ごすステイホーム週間。
うぷも多くの方々と同じく、お片付けやお裁縫やお料理などに精をだして、まるでぐーたらじゃない主婦みたいな毎日を過ごしていました(^-^)v

GW中、テレビではどの局でも今後の見通しなどについてさかんに報道されていて、うぷも大いに関心を持って見守っていましたが、その中で、大阪府の吉村知事が発表された出口戦略「大阪モデル」に、うぷは、あれれれ~(*’o’*)と思う事がありました。
それは、「解除基準の達成状況を 緑・黄色・赤 に色分けし、状況に応じてライトアップする。」というもの。
吉村知事は、これを大阪城や通天閣、太陽の塔などで実施したいと提案しました。

もしも、危機的状況になったら、大阪城を赤くライトアップする。

ん?
それって、あの小説のあの場面でしょう!!

hare03「あの小説」とは、万城目学さんの小説『プリンセス・トヨトミ』という作品です。
2008年に発表された長編小説で、その後映画化もされたので、ご存じの方も多いでしょう。

万城目学さんの小説は、普通の日常の中に別の世界が存在しているという独特の作風で、それはファンタジーともSFとも違う独自の世界。
「万城目ワールド」と呼ばれています。
うぷは、読み始めるとあっという間に物語の中に引き込まれ、「それからどうなるの?」「それから? それから?」と、ついつい最後まで一気に読みたくなってしまーう(^_^;;
凹んでる時などに読むと、くよくよしてる事など忘れさせてくれるほど夢中になれるので、ビタミン剤みたいな作家です。
でも万城目ワールドを説明するのはとっても難しくて、うぷがそのあらすじを伝えようとすると、なんだかトンチンカンなファンタジーみたいになっちゃって、どんなにがんばっても1ミリもその世界観を伝える事はできません(^_^;

この『プリンセス・トヨトミ』は、大阪を舞台にした万城目学さんの代表作のひとつ。
先ほども書いた通り、うぷの文章力ではこの小説の面白味を1ミリもお伝えできないので、ざっくりプロットだけお伝えします。

・東京から、3人の会計監査院の調査官が大阪を訪れ、実地検査を行う。
・「社団法人OJO」という団体の調査をすすめると、思いもよらない事実を知る。
・実は、大阪には日本から独立した「大阪国」が存在し、その国家は400年にわたって脈々と受け継がれていた。
・大阪国は大切なあるものを守るために存在しており、それが脅かされた時、大阪国民はある合図とともに立ち上がる。
という筋立て。
その合図というのが、「大阪城が赤くライトアップされる」事なのです。
この合図が発せられると、危機に瀕したあるものを守るため、大阪国の国民は、父から子へと引き継がれてきた教えに従い行動を起こします。
それにより、大阪の全機能は停止してしまいます。あたかも、ロックダウンのように…。

この、なんとも壮大でありえへん設定を、万城目学さんのペンはとてもリアルに緻密に描いています。
実は本当に大阪国があるんじゃないやろか…と思えてしまう程(^。^;;
物語はこの奇想天外な設定を背景に、会計監査官の思惑、大阪国を守ってきた人々の人間模様、次代を担う子供たちの成長が静かに語られていて、最後は胸が熱くなり、そして少し泣いてしまいました…。

映画は2011年の公開です。
主演は、堤真一さん・綾瀬はるかさん・岡田将生さん・中井貴一さん。
うぷは観ていませんが、とっても豪華なキャストなので、きっと見ごたえのある事でしょう。
映画は、ネットレンタルや動画で観られると思います。
でもうぷとしては、できれば本で読んでほしいなと思うのです。

「大阪城が赤くライトアップされる」
それは、大阪国民が亡き父から受け継いだ約束を果す時。
小説では、この時それぞれの心に去来する想いが丹念に描かれています。
父から子へ、母から娘へと伝えられた、自分たちにしか価値のわからない「大切なもの」を守ろうとする姿…。
映像でさらりと観てしまうのはなく、万城目学さんが紡いだ言葉で、ゆっくりと読みほどいてほしいと思うのです。

hare03 大阪市の予算の都合上、大阪城ライトアップは経費がかかるため断念となり、ライトアップは通天閣と太陽の塔で実施されています。
…でも、断念したのは本当に経費がかかるからなのかな……。
本当は、大阪城を赤くライトアップしちゃうと、大阪国が立ち上がっちゃう心配があるからなんじゃないかな…と、うぷは疑っています。

20200515-1不要不急の外出は、まだまだ控えたほうがよいでしょう。
どうせおうちにいるなら読書をしてはいかがですか?
『プリンセス・トヨトミ』、読んでみたらいかがですか?

外出を控えるという観点からいうと、本はネットで購入するのが望ましいでしょう。
中古なら1円で購入できるサイトもあります。
でも地域の小売業を支援する為にも、できれば本屋さんで新品を買ってほしいなと、うぷは思います。
もし危険を冒して本屋さんへ出向いて下さるのでしたら、本屋さんで不要に長く滞在することがないように、念のため書籍情報をお知らせしておきますね(^~^)b

 書籍名:プリンセス・トヨトミ
 著者名:万城目 学 (マキメ マナブ)
 出版社:文藝春秋(文春文庫)
 図書CD:ISBN978-16-778802-5
 価 格:869円(税込)

本屋さんに行く時は、必ずマスクをつけて行きましょう!
そして、帰ってきたら、しっかりと手洗い・うがいをして下さいね(^-^)


 それでは
    また次回~(^-^)/~



同じカテゴリー(読書)の記事
 ~ スカーレットとメラニー ~ (2020/8/13号) (2020-08-13 02:26)
 ~ ホタルの光 ~ (2020/6/28号) (2020-06-28 23:42)

 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。


削除
~読書のすゝめ ~プリンセス・トヨトミ~ ~ (2020/5/15号)
    コメント(0)