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Posted by 株式会社 群馬webコミュニケーション at

2018年12月30日

~長寿銭~ (2018/12/30号)

kumo03 4月13日、父が亡くなりました。

昨年5月から入院していたのですが、ようやく退院の目途が立った矢先の3月末に体調を悪くし、4月13日に入院先で息を引き取りました。
この日は、父の八十八歳の誕生日でした。
数日前から呼吸が荒く、その苦しそうな様子を見るのは辛く、でもあと数日の誕生日まではがんばってほしい…と、相反する気持ちに心の揺れた日々でした。
その気持ちを察したのか、父はその誕生日の夜、私が仕事を終えるのを待っていたかのように息を引き取りました。


kumo03 父は頑固で偏屈な人でした。
その父が、一人娘の私より可愛がっていたのが、以前飼っていたペットのラブちゃんでした。
父が可愛がるのと同じだけ、ラブちゃんも父によくなついていました。
赤い首輪が似合う、白いトイプードルでした。

20181230-1ラブちゃんは17年前、病気のため亡くなりました。
私も主人も病院の付き添いなどの世話をし、時には夜中まで奔走した事もありましたが、看病の甲斐なくラブちゃんは亡くなってしまいました。

ラブちゃんの遺骨を父の元に届けた帰りしな、父が私に、
「これ、貯まったからやるよ」と言って、500円玉貯金の入った小銭入れをくれました。
多分、ラブちゃんのお世話をした事へのお礼のつもりだったのでしょう。
お金なんていらないのに…。
「ありがとう。世話になったな」の一言でいいのに…。
本当に、なんて偏屈な人なんだろう……。
けれども、渡された小銭入れの重さに、まったく素直でない父の精一杯の気持ちが感じられ、私はそのお金を使う事ができませんでした。

いつかその日が来たら父のお棺に入れてあげようと、私はずっと、ラブちゃんの首輪を大切に保管してきました。
そしてそれと一緒に、ついに使う事ができなかったそのお金を、父に持たせようと思っていました。
ところが、葬儀社の担当の方に相談したところ「燃えないから、絶対ダメです」と、」止められてしまい、またしてもその使い道に悩む事となりました。
その時、その担当の方がある事に気付き、その使い道を提案してくれました。
父が息を引き取ったのは八十八歳の誕生日。
八十八歳は米寿で、長寿となるのだそうです。
「長寿銭として、参列の皆様にお持ち帰り頂いたらいかがですか?」

長寿銭とは、長寿を全うして亡くなった方あやかり、「長生きでありますように」とご祝儀袋に小銭を入れて会葬者に配るという、群馬県などの一部地域に残る風習です。

20181230-2それはいいご提案だと思い、さっそく長寿銭の準備をしてもらいました。

私の元に長い間留め置いてしまったこのお金、父にゆかりのある方々にお使い頂き、このお金を次の世代に繋いでほしい…。
それは、父の不器用な真心のへの何よりの供養となると思うのです。

用意して頂いたご祝儀袋に、その500円玉をひとつひとつ詰めながら、私は思いました。
もしかしたら父は、私が使い道に悩んでいたので、米寿のお誕生日までがんばったのかな…。
だとしたら、自分の長寿銭を自分で用意するなんて、やっぱり父は偏屈だな、と…。


kumo03 胸元で組んだ父の指は、もう冷たく固くなっていました。
その指に、ラブちゃんの首輪の引き綱を絡ませながら、私は、
「ラブちゃんとお母さんが、待ってるよ。」
と、父の耳もとにささやきました……。




11ヶ月の休刊を経て、10月に再開したおさかな通信。
その後も、なかなか記事がアップできなくて残念でした(>_<)
来年は、もう少し軌道に乗せたいな~と思っていますので
どうぞよろしくお願いします<(_ _)>

みなさん、どうそ、よいお年をお迎えください(^-^)


 それでは
    また来年~(^-^)/~   


Posted by うぷ at 18:09Comments(2)今週のうぷ