2017年06月12日

~バビルの塔~ (2017/6/11号)

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hare03 似て非なるもの…。
それは、『バルの塔』と『バルの塔』。
と言っても、おそらく「何の事やら!?」と思う方が多い事でしょうσ(^_^;;

『バルの塔』は、先週のおさかな通信でご紹介した、旧約聖書に出てくる物語の事。
一方の『バルの塔』とは、1973年(昭和48年)に放送されたTVアニメ『バビル2世』に出てくる塔で、先週の記事のコメント欄で、ちんあなごさんが鋭く指摘した塔の事です。 
主人公の正義の少年・バビル2世が住んでいて、人工砂嵐を発生させてその所在を隠し、超高性能コンピューターが管理・防御している、という設定。

実のところうぷも、『バルの塔』と言われて先に浮かぶのは、「旧約聖書に出てくる物語」よりも「世界の平和を守るため、3つの僕(しもべ)と共に戦う少年が住んでいる塔」の方(^o^;
特にアニメ『バビル2世』の主題歌は、上記のディティールが短い歌詞の中にすべて盛り込まれていて秀逸です。

〽砂の嵐に隠された バビルの塔に住んでいる
超能力少年 バビル2世
世界の平和を守るため 3つのしもべに命令だ (ヤー)


kaminari02 先週、美術展に行って以来、連日この歌がうぷの頭の中で流れ続けていて、うぷはちょっとだけ困っています。
別に生活に悪影響がでている訳ではないのですが、懐メロに匹敵する40年以上前のアニソンが昼夜を分かたず頭の中で流れ続け、うっかり油断すると口ずさんでしまいそう…(+_+;;
うぷが仕事中に「3つのしもべに命令だ、ヤーッ!!」と懐かしのアニソンを歌ったら、同僚はきっとビックリするでしょう。
でもそれ以上に、もし誰もこの歌を知らなかったら、逆にうぷがショックを受けるかもしれない…llllll(-_-;)llllll
とにかく、一刻も早く別の歌を頭の中に刷り込んで上書きしたいところです。

hare03 話題を戻して、
似て非なるもの、『バルの塔』と『バルの塔』。

実はうぷ、『バルの塔』が旧約聖書に出てくる物語だと知った時から、ずっと疑問に思っていた事があります。
『バビル2世』の作者はなぜ、旧約聖書の物語のままに“バルの塔”としなかったのでしょう…。
名前をパクッたとしたら、当然、著作権の侵害となるところですが、著作権の保護期間は「著者の死後50年」。
どう考えても、旧約聖書の作者から著作権侵害で訴えられる心配はなさそう…。
それならそのまま『バルの塔』としても、なんら問題はありません。
それなのに、どうしてわざわざ一文字変更したのでしょう。

実は今回、この記事を書くにあたりネットで色々調べていていたところ、思いがけずその謎が解けました。

このアニメは横山光照氏の連載漫画が原作。
手塚治虫や石ノ森章太郎などと並ぶ漫画界の巨匠で、代表作には『鉄人28号』や『魔法使いサリー』などがあります。

当初、横山氏はこの作品のタイトルを『バル2世』としていたのですが、担当編集者が『バル2世』とタイトルを間違えて連載の予告してしまったのだそうですw(゜O゜;)w20170611
40年の歳月の果ての予想外のオチに、うぷはなんとも言葉がありません_| ̄|〇

ところで、右の画像はアニメで描かれた『バルの塔』です。
なんだかブリューゲルの『バルの塔』をパクッてる気がするのですが、みなさんはどう思いますか?

もっとも、ブリューゲルの著作権保護期間もとっくに過ぎてはいますが…σ(^。^;


 それでは
    また来週~(^-^)/~
  


Posted by うぷ at 01:31Comments(4)先週までのうぷ

2017年06月04日

~バベルの塔~ (2017/6/4号)

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hare03 東京都美術館で開催中の『ブリューゲル展』に行って来ました。

20170604-1ブリューゲルは、16世紀のネーデルランド(現在のオランダ)の画家です。
日本で言うと、ちょうど織田信長と同じ世代です。

農民の生活を題材にし、細部まで丹念に生き生きと描いた作品が数多く残されていますが、今回の美術展の目玉は、傑作と名高い『バベルの塔』です。

『バベルの塔』は、旧約聖書の「創世記」に登場する物語のひとつです。

その昔、人々は同じ言葉を使って同じように話していました。
彼らは、自分たちの民族が各地に散らばらないよう、住みついた土地に街を作り、さらに天まで届く塔を建てる事にしました。
そして人々は、神から賜った「石」や「漆喰」ではなく、自分たちが作った「レンガ」や「アスファルト」を用いて塔の建設を始め、名をあげようとしました。
天からそれを見た神は、同一の言葉をもつ民の強力な結束力と能力を危惧します。
「彼らは一つの民で、同じ言葉を話しているからこのような事をし始めたのだ。
それなら、彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう。」
神は、それまで一つだった人間の言葉を、互いに通じないようにしてしまいました。
その結果、人々は意志の疎通ができなくなり、塔の工事も続けられなくなりました。
やがて人々はこの地を離れ散り散りになり、世界は分裂していきました。

うぷは長い間…と言うか、この「バベルの塔」の展示室の解説を読むまで、「バベルの塔」の物語は、神に挑戦するが如く高い塔を築き、傲慢にも神の領域へ踏み込んだ人間に怒った神が塔を破壊した、という物語だと思っていました。
ところが正確には、神は直接手を下して塔を破壊したのではなく、人々から「同じ言葉」というコミュニケーションツールを奪い、その結果、人間が自らが工事を放棄した、という事でした。

kumo03 「レンガ」とか「アスファルト」とか建築資材を勝手に開発しちゃってるし、「高い塔を作って名をあげよう!」とか言っちゃってるし、この『バベルの塔建設プロジェクト』、神として、なんだか気に入らない…(-_-#
神の力と技をもってすれば、こんな建造物を跡形もなく壊す事など朝メシ前でしょう。
でもせっかく作りかけた塔を、有無を言わさず目の前で壊してしまったら、いくら神と言えど、人々の激しい反感を買い、支持率は確実に低下してしまう…。
そこで着目したのが、コミュニケーションツールたる”言葉”。
お互いに言葉を通じなくし、結束力・団結力を弱めちゃおうという作戦。
この方法なら、神が関与した事実を隠したまま、建設計画を頓挫させる事ができると踏んだのでしょう。
その思惑通りこの作戦は功を奏し、「バベルの塔 建設プロジェクト」は自然消滅。
かくして、旧約聖書の創世記・第11章のくだりとなった訳です。

ame03 名画「バベルの塔」の展示室で、うぷはずいぶん長い時間を過ごしました。
大胆で壮大な構図でありながら細部まで緻密でリアリティのある絵。
工事に携わる職人やすでに住み始めた人たちのなど、1,000人以上の人々が丹念に描き込まれ、見ていると、ひとりひとりの生活まで垣間見れそうです。
洗濯物が干してあったり、教会の前に行列が出来ていたり、下層には市場がある模様…。
職人さんたちの仕事ぶりも見て取れ、ハムスターの滑車みたいな人力クレーンを動かす人、粉まみれになってる人など、その働きぶりが伺えます。

「あら奥さん、どちらに行って来たの?」20170604-2
「2層目の市場よ。とっても混んでたわ」
「親方、おはようございます」
「おぅ!今日も怪我のないようしっかり働けよ」

そんな会話が聞こえてきそうです。

でも、
この絵の場面から程なくして、ある朝突然、人々はお互いの言葉が通じなくなってしまいます。

それは、
せっかく作り上げた塔が目の前で壊されてしまうより、20170604-3
もっとずっと残酷な事ではなでしょうか…。

もっと他に、手段があったんじゃない? 神様? 

絵はとてもすばらしかったけれど、なんだか釈然としないまま、うぷは美術館を後にしました…。


 それでは
    また来週~(=_=)/~
  


Posted by うぷ at 23:15Comments(8)先週までのうぷ